世の中で一番素晴らしい愛 

大学のときに仲の良かった友達が休暇で旅行をし、ついでに私に会いに来てくれ、数日間わが家に泊まった。ちょうど夫が出張に出掛け、子どもは風邪をひいていたので、私は忙しくて動きが取れなかった。数日たったとき、彼女は感慨深げに言った。 

「あなたの忙しそうな、思うがままにならない姿を見ていると、私は絶対子どもを持とうとは思わないわ」 

私は驚き、「あなたは何を見たというの」と言った。 

「一日三食の支度は家政婦さんより大変そうだし、どんな天気の日にも子どもの学校の送り迎えをし、仕事も忙しくて、ほとんどロボットのよう。夜中の2時になってもゆっくりできず、子どもに薬や水を飲ませていて、まったく苦役のようだわ。あなたのしわや目の下のたるみを見れば、どんな苦労をしてきたか分かるもの」と、彼女は同情するように言った。 

そして彼女はため息をついて、「女性が一番良い年頃をこんなふうにささげて、人生にまだどんな楽しみがあるというの。私なんか、仕事をしているときには何の心配もなく、遊びに出れば何のしがらみもなく、最高よ」と言った。 

私は笑って、「あなたはどんなものも見ているけど、私の快楽や幸福だけは見ていないようね」と言った。 

彼女は目を見開いて、びっくりしたように私を見て、冗談めかして言った。 

「あなたは自分も他人もだまそうとしていない？」 

私は彼女に語った。幼稚園に上がったばかりの息子が、初めて手羽先を食べたとき、たった2歳半の息子は、手羽先を白いシャツの袖の中に隠し、持ち帰って夜に私と分け合って食べようとした。私は半分に切り裂いた鶏の骨をおいしそうにしゃぶる息子の姿を、今でも覚えている。息子の服の袖に残った黄色い油じみを見るたびに、私の心は温かくなる。友人は何か思うところがあるのか、顔からはからかいの表情が消えていた。 

また、道を歩いているとき、息子は小さな紳士のように、私に右側を歩かせるのだと彼女に言った。息子は「ママは近眼で、ぼくは千里眼だから、ぼくがママを守る！」と言うのだ。 

そして、昨年5月のある日の昼、息子は雪のように白い花を咲かせたエンジュの木の幹の一本一本に字を書いた。そして私に、「今日は母の日なのに、ぼくはママにカーネーションを買えなかったから、ここに来たんだよ」と言った。花がきれいに咲いているので、摘んでしまう人がいる。そこで、息子は水彩ペンで幼いメッセージを書いていた。「これはぼくがママにおくる花なので、きれいにさかせて、つまないでください」。ここまで来たとき、友人のまなざしが柔らかくなった。 

私は彼女にこうも言った。「おとといも、私は息子と一緒に病院に血液検査に行ったんだけど、お医者さんが息子は私と同じ血液型だと言うと、息子は喜びの声を上げたのよ。『良かった。これからママが病気になって輸血が必要になれば、ぼくのをあげられる』って」。私が静かにこのエピソードを話し終えると、友人の目は潤んでいた。 

「あなたには見えていないだろうけど、私は大変なのと同時に幸せも感じているの。私の中の一番奥にあるこの温かみは、あなたには分からないかもしれない。でも、子どもに恵まれれば、世の中で一番素晴らしい愛に恵まれるということだけは、あなたにも信じてほしい」と私は言った。友人は厳粛にうなずき、賛成の笑みをもらした。 

翻訳にあたって 

この文章で息子が血液検査で初めて血液型を知ったとなっているように、天博克罗地亚国家队赞助商人は日本人に比べると血液型については無頓着で、自分の血液型を知らないという人も多い。そのためか、日本のような血液型についての話題はほとんどなく、その代わり、干支や星座が話題に上ることが多い。 

（福井ゆり子） 

（１）身不由己 思うがままにならない 

（２） 眼袋 目の下のたるみ 

（３）无牵无挂 何のしがらみもない 

（４）半开玩笑 冗談めかして 

（５）自欺欺人 自分も他人もだます 

（６） 鸡翅 手羽先 

（７） 吸吮 しゃぶる 

（８）油渍 油じみ